2019年1月29日火曜日

ホームページリニューアルに伴い、blogサイト移転しました


公式ホームページ を前面リニューアルしました。
https://www.y-michikusa.com/


それに伴い、blogもホームページの方へ移行しました。
こちらの旧blogサイトも残しておきますが、最新のブログ記事はこちらをご覧ください。
https://www.y-michikusa.com/blog/



2019年1月1日火曜日

2019年の目標

明けましておめでとうございます。


2019年の干支はイクビゴケ

毎年恒例、誰に見せることが目的でもないのですが、今年の目標!
書いてしまったらやらねばってやつです。


【道草 2019年の目標】
1、アトリエ東京移転

2、着生苔石シリーズの展示イベント開催

3、Instagramフォロワー10,000人

4、教室の定期開催

5、屋久島へ行く

6、ネットショップ(Yahoo!Shop)の再構築


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ところで昨年の目標はどうだったのか振り返ってみよう。

【2018年の目標】
・完全週休一日制導入 
→ 未達成

・完全週休肝日一日制導入 
→ 未達成

・苔以外のことを勉強してスキルアップ 
→ うーん、未達成

・今年も色んな人にあって、色んな話を聞く 
→ うーん、まあまあ

・苔テラ本出版 〜のイベント開催 
→ うん。これはやった!

・東京教室でワークショップ・イベント定期開催。4月から月イチ目標。
→ 未達成

・観察会、展示会を企画する。
→ やった!

・今ある商品を改良・改善より良いものを作ろう
→ 少しやった

・苔スポットに3カ所行く!(苔寺・三千院・奥入瀬この辺り目標)
→ 未達成

・アトリエに趣味の植物増やしてジャングルみたくする
→ 未達成


ほとんどできてないじゃないか・・・
結論、途中で振り返ることをしないことが問題なのだな。
さて、来年振り返ったときにはどうなっているのだろうか?



そんなこんなで、今年も道草michikusaの活動よろしくお願いします。





2018年9月14日金曜日

五感で楽しむコケの魅力 クロストーク



大阪 あべのハルカスで開催した「五感で楽しむコケの魅力」クロストーク&サイン会の様子を少しご報告。「部屋で楽しむ小さな苔の森」の出版を記念したイベントで、サイン会などという冠までついて、ドギマギいたしました。場所は大阪のランドマーク的スポットあべのハルカスの近鉄本店7階(ジュンク堂書店さんがあるフロア)

イベントポスター

今回一緒にトークしたのは、ライターの藤井久子さん。藤井さんが書かれている「特徴が良くわかるコケ図鑑」が同じ出版社ということもあり、ご一緒することに。昨年、コケ図鑑が出版されたときに、心斎橋の書店で一緒にイベントやったところから、現在につながるご縁ということも。

コケはともだち
藤井久子さんの著書「コケはともだち」

特徴が良くわかるコケ図鑑
「特徴がよくわかるコケ図鑑」

そう、藤井さんとのトークイベントは今回でなんと3回目!
継続って大切!!


前回までは、クロストークというよりは、それぞれが話すパートを決めておいて、まあ多少ツッコんだり、合いの手いれたりといった形で進めていたのですが、今回はもう少しクロストークっぽくやれたでしょうか。まあトークの主導権は関西人の藤井さんにお任せして、私は好きなコケの話を適当にしていただけなのですがね。こういったことも回数を重ねるとスムースにできるようになってくるものです。

今回まず不安だったのが、そもそも人が来るの? って問題。
もちろん、近鉄さんにはとても人が集まる人気イベントでって、半分はったりかませて話をしているわけです... そして、あの台風でしょ。まだ関西空港ストップしていますし。みんなのライフラインが復旧しつつある状況。更に前日の報告によると、ジュンク堂さんで販売していたサイン会付きの書籍が、まだ1冊しか出ていないと。ぎょぎょぎょです。もう、大勢巻き込んでしまって、人が来なかったらと思ったらと考えていたら、ほんと吐きそうなくらいでして。

お昼に、藤井さん・編集Eさんと打ち合わせしているときも、3人で集まるのかな?どうなのかな?台風のこともあるし仕方ないよね。なんて慰めあいながら話をしていました(笑)

結果、フタをあけてみれば、満席になり50名を超える方に来ていただいて、立ち見も出る状況。その状況だけでテンションMAXなわけですよ。そんなこんなで、不安から解放されて、快調にトークを始めることができたわけなのです。

藤井さんとのクロストーク
奥:藤井さん 手前:道草

トークイベント様子
あの台風のあとというのに大勢の方が参加してくれました。
<トークの概要>
前半
・2人の馴れ初め
・本を作る上での裏話
・NHK趣味の園芸出演の裏話
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後半 五感で楽しむコケの魅力
・みる ・触る ・嗅ぐ ・聴く ・食べる
を実際のコケをルーペで覗いたり、触ったり、嗅いだりしながら、体感してもらいました。食べるパートだけは、商業施設内のオープンスペースということもあり、写真のみでのお話しに。


師弟対決!

あ、違う。

師弟対談(^o^)v

引用元: Facebook

めっちゃ面白かったけど、気がつけばジャゴケの話ししかしてへんやん!(///∇///)

引用元: Facebook

そう、話しの70%以上がジャゴケとゼニゴケの話しじゃった。

著書の展示
2人の著書と趣味の園芸の展示
番組内で作製したテラリウムも飾りました。

五感を楽しむ展示
五感を楽しむコケのパネル展示


そして、トーク終了後のサイン会。
なにしろ、今回のイベントのメインは著書の販売ですから!
人は入っても本が売れないと、企画に乗ってくれたジュンク堂さんにも顔向けできない状況。。。そしたら、なんとトーク終了後に皆本を買いに行ってくれて、サインをもらうために並んでくれるなんて(感涙)
藤井先輩のように、気の利いた一言コメント書く余裕もなく。
皆が本を抱えて並んでいることにドキドキしながら書かせていただきました。

部屋で楽しむ小さな苔の森
著書「部屋で楽しむ小さな苔の森」

久々に不安でいっぱいのイベントでしたが、開催してホント良かった。
そして、今回も一緒に企画してくれたみんなが、それぞれにそんな儲かるわけじゃないんだけど、本気で取り組んでくれて、楽しんでくれた。そんな関係がまたできたのもとても嬉しかったのです。



最後に、今回の企画にご縁を繋いでくれた山下さん。タイトなスケジュールで場所の調整をしてくれた近鉄百貨店の小林さん。そして、イベントの情報を宣伝PRしてくれた皆様に感謝御礼申し上げます。

イベントに参加した方は気づかれたかと思いますが、藤井さんはこれから休暇に入りますので、また落ち着かれたころに、関西でのイベントを一緒に企画したいと。いや、関東にも引きずり出したいと思っております。苔のむすまで準備に時間がかかるので、すぐとはいきませんが、このトークイベントも継続していきたいと思っています。


それまでお楽しみに~~!


2018年8月27日月曜日

北八ヶ岳 苔の森でコケと仲良くなる日 麦草ヒュッテx道草コラボイベント



「北八ヶ岳苔の森でコケと仲良くなる日」


麦草ヒュッテさんと道草michikusaのコラボ企画「北八ヶ岳苔の森でコケと仲良くなる日」を8月25日に開催しましたので、その様子を少しご紹介します。
 
コケさんぽ

北八ヶ岳の苔のお話し

北八ヶ岳白駒池周辺は、日本蘚苔類学会によって「日本の貴重なコケの森」に認定されています。八ヶ岳全域では500種を超えるコケ植物が自生しており、白駒池周辺でも300種近い種類が生えているそうです。標高約2100mで亜高山帯に生える種類を多く見ることができ、かつ車でのアクセスがとても良いので、魅力的なコケ観察スポットではないでしょうか。

北八ヶ岳の山小屋のおじさん達が作る、北八ヶ岳苔の会は毎年科学博物館の先生や大学の先生を招いて、コケの観察会を開催しています。ドップリ観察したい人はこちらに参加するのも良いでしょう。私も数年前に苔フェスティバルという企画のときに参加しました。今年の観察会の予定。ほとんど終わっていますが、10月まで予定があるので気になる方は下記のリンク先からチェックしてください。

コケ観察会予定

北八ヶ岳苔の会 http://www.kitayatsu.net/


北八ヶ岳苔の会所属の各山小屋でも観察会を独自企画していたり、泊まりのお客様が参加する追加のアクティビティとして企画していたりするようです。更に、昨年のJR東日本大人の休日俱楽部CMの影響から、観光客だ急増して、JTBやクラブツーリズムでもコケ観察ツアーがあるのだとか。軽く見たい程度の人は、大手旅行会社のツアーに参加しても良いが、コケ好きには苔の会または、山小屋が企画する観察会に参加して、ゆっくりと苔の魅力を堪能してもらいたいと思います。
◆昨年から特に土日は白駒池駐車場が大変混雑するので注意して下さい。

こちらがそのCMです。
JR東日本CMギャラリー http://www.jreast.co.jp/company/tvcm/index.html?code=otona41


さて、今回コラボした麦草ヒュッテさんは、その北八ヶ岳苔の会に所属する山小屋で、白駒池からは少し離れた麦草峠に位置します。こちらは恐らく苔ファンよりオールド登山愛好家に有名な山小屋。その麦草ヒュッテのご主人島立さんはとってもコケ好きで、山小屋にいくと島立さんのコレクション苔が沢山並んでいます。そして、気が合うところは糞ゴケというウンチにしか生えないという、ディープな苔をひたすらに追いかけているという変態性(←誉め言葉ですよ)。詳しく話を伺ったら、藤井さんの「コケはともだち」や下北での展示を見に行った辺りが、ハマっていくキッカケであったというので、私と同じような時期に同じようなルートを辿って、ハマっていったのだなと...
(変態苔人間のキッカケは藤井さんとYさんにあるのだよ。恐らく)

そんなこんなから、昨年より道草の苔テラリウムをお取扱いただいたり、今年は書籍もお取扱いただいております。何で苔の森で苔テラリウム?って話は、だいぶ脱線してしまうのですが、今回のイベント動機にも少し関係があるのでお話しします。

ここ数年のコケブーム&吉永小百合さん効果で、苔目的で訪れるひとも多くなったそうです。一方そういったときに問題になってくるのが、ちょっとだけなら良いだろうといった採取の問題。法律上禁止されているエリアということはもちろんのこと、今後より長くより多くの人に、森の苔を見ていただこうと思ったときには、やはり一人一人のモラルが大切になります。更にいうと、標高2100mの森は特殊な環境のため、低地に持って行っても生き残ることはほとんどありません。コケはどこにでも生えていそうですが、種類ごとにその場所に特化した生き方をしているのです。だから、低地で見ることができるコケの種類と、北八ヶ岳に生えるコケの種類は全く違うのですね。
ちょっと前置き長くなりましたが、ダメダメといってもやっぱり苔の森の思い出を手にして帰りたいもの。そこで島立さんと相談して、都会でも育てやすい種類の小さな苔テラリウムをお土産用として販売することになりました。なので、ここで販売している道草の苔テラリウムは北八ヶ岳産ではないのです。でも苔はコケですから、小さなテラリウム見ながら、「今年の夏は山に行ったな~」と思い出していただくものになればよいかと思っています。
◆白駒池周辺は国定公園に指定されているので、動植物の採取が禁止されています。

そんなことから、森のコト・苔のコトを楽しく学びながら、大切に思ってもらえるようなイベントができたら良いなと話し合って企画したのが今回のイベント「北八ヶ岳 苔の森でコケと仲良くなる日」。



ここからイベントの様子をご紹介


コケさんぽ
11時に集合し、午前中は山小屋のおじさんと歩くコケさんぽ

地獄谷
麦草ヒュッテ島立さんの案内で北八ヶ岳の森の成り立ちや、倒木更新の話し、北八ヶ岳に生える苔の話をききながら島立さんイチ押しスポット地獄谷へ。何だか名前は怖そうだけど、そんなに怖い場所じゃないですよ。今回は5歳男子も参加でしたが、頑張って一番下まで降りました! 谷の一番底はまるで冷蔵庫の中のようにヒンヤリしています。昔は夏まで氷が残っていたので、ここから氷を切り出して山小屋の冷蔵庫に使用していたのだとか。(あえて、皆が訪れる白駒池周辺ではなく、人がほとんど来ないのでゆっくり観察したり話ができるスポットを選んでみました。)

オコジョ

オコジョ
そして何と幸運にもオコジョが足元に。かなりの至近距離で撮影できました。普段は警戒心が強くすぐに逃げてしまうらしいのですが、近くに来ていた小鳥を狙っていたらしく、我々の前にチョコチョコと何度も出て来てくれました。(しばらくの間、みんなコケを忘れてオコジョタイム。)こんなサプライズがあるのも山の魅力。

1時間半くらいのちょっとしたコケさんぽでしたが、皆さん北八ヶ岳初めてということで、ご満足いただけたようです。


お昼を挟んで午後からは、麦草ヒュッテに戻って、コケの基礎的なお話しと午前中の景色を思い浮かべながらの苔テラリウム作製。

スナゴケを触る参加者
乾いたスナゴケに霧吹きかけて触れ合っている様子。

テラリム作製の様子

テラリム作製の様子

テラリム作製の様子
8cmのガラス容器に3種類の苔と石を入れて、自然は風景を思い思いに作製。
最後に石に着生させるタマゴケトッピング付き。

(完成作品撮り忘れました・・)


そして、ここからが道草&麦草ヒュッテ企画の真骨頂。

「ジャゴケの楽しみ方雑学講座」&「糞ゴケの一生紙芝居」


ジャゴケの嗅ぎ比べ

素揚げのジャゴケ
まずは、ジャゴケの楽しみ方。
北八ヶ岳まできてジャゴケかっ!て言われそうですが(笑)
嗅いでもらいました。食べてもらいました。

糞ゴケの一生紙芝居
続いては、島立さんの「くそゴケの一生」紙芝居。
動物のフンにしか生えないオオツボゴケのお話しを、紙芝居を使って面白おかしくお話ししていただきました。

こんなこんな、色々な視点からコケと仲良くなる方法を考えて試みた企画第一回目。来年も更にディープなの企画したいなと話しをしているところです。来年の夏まで首をながーーーくしてお待ちください。

 
さて、プログラム自体は15時半で終わりだったのですが、泊まり組が5名いらしたので、一升瓶ワインを飲みながらコケ飲み会を臨時開催。本当は早く寝なければならない山小屋で、11時過ぎまで飲んでしまい、翌日は5時前に起きて朝焼けを見るという、健康的なのか不健康なのかわからないスケジュールに(笑) 来年のプログラムは初めから泊りと苔飲み会を組み込もう!


北八ヶ岳の朝焼け
やや酒が残るAM5時の朝焼け。

2018年8月17日金曜日

無性芽から育てる! ゼニゴケの育て方・増やし方




ゼニゴケの育て方や増やし方を知りたくても、きちんと書かれた記事がないので、実験してみました!

ゼニゴケの増やし方といっても色々な方法があります。
 ・株分けして移植する方法
 ・胞子から地道に育てる方法【有性生殖】
 ・無性芽から育てる方法【無性生殖(クローン)】

株分け法は、はなんとなくイメージできるかと思いますので割愛します。


ゼニゴケの増え方についてちょこっとお勉強


そもそも、ゼニゴケには雄株(おかぶ)と雌株(めかぶ)があるのをご存知でしょうか?

ゼニゴケ
普段のぬめーっとした状態のときは、雌雄の判断が付かないのですが、ゼニゴケにお花のような傘ができるのを見たことがありませんか?

実はこれがゼニゴケの生殖器官で、雌雄で違う形の傘が出て来るのです。

ゼニゴケ雄器托
こちらが雄株の傘(雄器托)
背が低く、平べったい形をしています。
ココでゼニゴケの精子を作っています。

ゼニゴケ雌器托
こちらの可愛らしいのが雌株の傘(雌器托)
雄株の傘よりやや背が高く、ミニチュアのヤシの木のような姿が特徴的。この傘の下に卵子があり、上手く受精すると胞子体が出来ます。(雨が降った時に雄株の精子が泳いで雌株の傘までたどり着く。両者が近くにいないと上手く受精までたどり着けない)受精した雌器托は少し背が高くなり、傘の下に黄色いぽんぽんを付けます。この黄色いぽんぽんがゼニゴケの胞子です。
受精できなかった傘は、背が低いまましょぼくれて終わります(ちょっと悲しい)。通常雌雄が混在で生えていることより、それぞれが塊で生えていることの方が多いので、雄だけの群落、雌だけの群落になていたりします。

こうやってできた、胞子が風に乗ってまき散らされて、更に生息範囲を広げて増えていくのです。で、この胞子から増やして育てようと思うと、胞子ができる時期も決まっているし、胞子から原糸体という過程を経て、植物の形になるので、かなり時間がかかってしまいます。育てるために増やすには非効率。


ゼニゴケを増やしてみよう!

少し前置き長くなりましたが、そこで今回はゼニゴケの「無性芽(むせいが)」を使って増やす方法について実験・解説します。

ゼニゴケ無性芽器
そもそも、無性芽って何よってところから。
ゼニゴケに写真のような吸盤のついている所見たことありますか?
この吸盤。更に近づいてみてみるとーーーー

ゼニゴケ無性芽器
緑色の小さなツブツブが沢山入っています。
これは全部、ゼニゴケの無性芽!!
これは元のゼニゴケと同じ遺伝子を持ったクローン。
山芋のむかごのようなものです。
この無性芽の付け方は、コケの種類によって全然異なります。

◆この吸盤をゼニゴケの無性芽器(むせいがき)といいます。

ゼニゴケの場合には、無性芽器に雨が当たると、つぶつぶの無性芽が飛ばされて、生息範囲を広げていくという仕組み。(だから、庭に生えたゼニゴケをむしってもむしってもまたすぐに生えてくる)


ゼニゴケ無性芽栽培 作製作業


1、容器にテラリウム用のsoilを入れてよく湿らせておきます。
作製手順1-1

作製手順1-2
◆ゼニゴケ栽培の場合、フタのない容器で栽培するのがポイント!


2、無性芽器に水をかけ、スポイトで無性芽を吸い出します。
作製手順2

3、吸い出した無性芽をsoilの上にまきます。
作製手順3


作業はこれだけ。ゼニゴケは乾きに弱いので、乾燥しないようにマメに霧吹きをしながら芽生えを待ちます。



ゼニゴケ無性芽栽培 経過観察


5月11日の様子
2018年5月11日スタート 写真でみせても、無性芽わかりませんね。

6月20日の様子
2018年6月20日 ちょこちょこ緑色のが出てきました!
写真が撮れなかっただけで、ちょうど一ヶ月目には緑色のものが確認できるようになっていました。

7月4日の様子
2018年7月4日 徐々にゼニゴケらしい形になり始めました。

8月16日の様子
2018年8月16日 ちょっと目を離したすきに、完全にゼニゴケに!!
そしてそして、なんと。無性芽器ができ始めているではないですか。
ココから無性芽をとればエンドレスで増やして、育てられる??

ゼニゴケはコケ植物の中では、比較的成長が早い種類です。
変化を観察しやすいのも魅力ですね。


現状ここまでですが、更に観察を続けてみたいと思っています。
以降の経過はTwitterのモーメントにアップしていく予定
 ↓
 ↓




テラリウム環境でのゼニゴケの育て方については、道草michikusaの著書「部屋で楽しむ小さな苔の森」(著者:石河英作/出版:家の光協会)にも詳しく書いてあります。合わせて参考にして下さい。




2018年8月4日土曜日

苔の香りを抽出しました




やってみました!
苔の香り抽出。

苔の香りってどんな香り??


無臭のものもあれば、クマリンという桜餅に使う桜の葉の香りと同じ成分を持つもの(ナンジャモンジャゴケ)や、マツタケオールという松茸と同じ成分をもつもの(ジャゴケ)など。コケ毎で色々あるようです。

今回は、勿論いつも食たりしているジャゴケが対象。
(苔食の様子は以前の記事:https://yamanashi-michikusa.blogspot.com/2018/03/kokesyoku4.html

ジャゴケ


その中で、オオジャゴケ という種類と、 マツタケジャゴケ という種類を比較してみました。
(現在ジャゴケは、4タイプに再分類されるそうです。その分布調査が「ジャゴケ探検」の名のもとに調査研究されています。その話はまたいづれ)

・オオジャゴケは、一番メジャーに生えているこれぞザ・ジャゴケという種類。松茸の香りというよりはやや爽やかなハーブのような香りもあり、最後の余韻でキノコの香りを感じます。

・マツタケジャゴケは、やや細身で光沢感が少なく、マツタケの香りが強烈にするタイプ。マツタケのお吸い物のものもの香り。

アランビック蒸留器
抽出に使ったのは、アランビックという蒸留器。
窯で煮て、蒸気と一緒に揮発した植物の香りを抽出するもの
(詳しくはメーカーサイトを http://jms.la.coocan.jp/sub01.html

インテリアとしても、スゴイカッコよくありません?
前々回のジャゴケ食の会で、見て以来気になっていて、苔の仕事に蒸留器は絶対に必要であると自分に言い訳して、ついに買ってしまったのです。

ここから蒸留方法をご説明


マツタケジャゴケ

まずは、ジャゴケを水洗いして、余分なゴミや、土を取り除きます。
(写真はマツタケジャゴケ)
私の持っている蒸留器では20g必要。

蒸留工程
次に窯の中にsetアップしていきます。
説明書にミネラルウォーターを使う方がよいと書いてあったので、やっぱり山梨だし南アルプスの天然水。

窯に水を入れる
350ccを窯の中へ。

窯にジャゴケを入れる
次にジャゴケを投入します。
ちょっと不思議な絵面。。。


窯に入ったジャゴケ
窯の中、こんな感じです。


アランビック蒸留器
次に機械をセットアップ。


ここから蒸留されたエッセンシャルウオーターが出てきます。


冷却するタンクの排水ホース。
水を扱うので、流しで行う必要があります。


ここが冷却タンク。
窯で温められたジャゴケの香り入り蒸気がコイル状の管の中で冷やされて、液体に変わる仕組み。


セットアップが完了したら、アルコールランプで温め始めます。
(火を扱います。周りに燃えるものがないように注意しましょう。決してお酒を飲みながら抽出作業をしないように! この前ビールのみながら作業していたら、アルコールこぼして、ファイアーになり、危うくでしたから) 

冷却タンクが小さいので、すぐに中の水が温まってしまいます。
水を足して、中の水が冷たい状態を保ちましょう。

窯の中が100℃になり、沸騰するとすぐに蒸留された液体が出てきます。
こぽっ、こぽっと、たまに出てくる感じ。

つまらないでしょうが、一応動画....


一回の蒸留で140ccのエッセンシャルウオーターをとることができます。
窯の中が焦げないように、この辺りで止めておくのがポイントのようです。

ジャゴケのエッセンシャルウオーター
こちらが抽出したもの。
透明というよりは、じゃっかん白濁しております。

オオジャゴケ・マツタケジャゴケ共に抽出し、それぞれにフレッシュなときとはまた違った印象の香り。なんとも表現しづらいのですが。
オオジャゴケは、海藻的な香りと、森の中の香りが混ざった感じ。
マツタケジャゴケは、若干の土臭さと、マツタケの香りが混ざった感じ。
やはり、そこまで強いマツタケの香りはとれなかたです。

まあ、そもそもは、マツタケと同じ香りがあるんじゃ、マツタケのかわりに炊き込みごはんとかにしたら、安くていいんじゃね?って安易な発想からですので...


出がらしジャゴケ
余談:こちらが煮詰めた後の、出がらしジャゴケ。
ちょっと食べてみましたが、完全に香りが抜けているので、無味無臭。
食感はシャキシャキしていました。

こちらの出がらしは、某コケ作家さんがなにやら作品作りに欲しいというので、取り置き。出がらしが、どんなことになるのか楽しみです。
ジャゴケって、ほんと捨てるところがありませんね(笑)