2017年7月13日木曜日

苔テラリウムの育て方 カビ対策 予防編


新しいブログに最新のカビ予防記事を掲載しました(2019.6.26)
こちらをご覧ください。
↓↓↓







今年は急激に暑くなったせいか、コケが痛んだり、カビが発生したりといったお問い合わせが多くなっている。そこでカビ対策や、カビの生えやすい種類など、前にも書いた記事重複するがまとめてみたいと思います。
☆コケをテラリウムで栽培したときの対策です。盆栽や庭で栽培したときはまた異なりますので、考慮してください。

【コケの種類によってカビが発生しやすいものがある?】
これは私の経験則なのですが、コケの種類によってカビの発生具合が異なります。

大別すると、日向に生える苔は総じてテラリウム栽培でカビが発生しやすい傾向にあります。ギンゴケ、ホソウリゴケ、ハマキゴケ、フデゴケ、スナゴケなど。


街なかで良く見かけるギンゴケさん。
拾ってきたコケ瓶に入れて失敗しちゃったは、
大概この辺りのコケ。。


日向地のコケは、加湿条件を好まない傾向が強いので、テラリウムの環境に適していないのが原因と考えられます。(スナゴケやフデゴケなど、コケの先端だけカットして、撒きゴケでテラリウム栽培すると上手く定着するものもあります。)

他にも、苔玉にも使用するハイゴケは、白カビが発生しやすい種類です。

ハイゴケは苔玉にしても、風通しが悪いと白カビが発生しやすいので、自然な状態で適度に共生していて、環境のバランスが崩れた時に、カビの方が優勢になるのではと考えています。


【レイアウトに使用する素材によってカビが発生する】
流木などの天然素材は、カビが発生する原因物質になります。
パルダリウムのように、通気が確保されている容器であれば使用できますが、完全密閉したスタイルのテラリウムでの使用は避けた方が良いでしょう。

たまに、密閉容器で流木使っている商品見かけますが、道草の作品ではないですから!
キッパリと。


【作製時のコケの処理】
最近は、自分で作られる方も多くいらっしゃいます。

まず、天然で採取した苔を使用する場合、コケの裏には多くの土、枯葉、枯れ枝、虫などが付着しています。これらを綺麗に取り除き、作製する必要があります。
テラリウム用に販売させているコケを使用する方が、安心して作製できます。
(道草で販売している苔テラリウム用コケパックは、洗浄と殺菌・殺虫処理を行ったものです。無農薬ではありません。)
掃除しきてれいないこともあるので、枯れ枝などはできる範囲で取り除いて、コケだけを植えるようにしましょう。

☆殺虫剤・殺菌剤は家庭園芸用のものを使用する。キンチョールとかかけないように! また農薬は暑い時間帯に使用すると薬害が出やすくなるので、必ず夕方か、早朝に使用する。コケの種類や、薬剤の種類によっては痛むことがあるので、使用する場合は少量試してから使用してください。

☆初めの項目でも書きましたが、種類によってテラリウムに適していないものがあります。特に街中(アスファルトの上や、ブロック塀の下に生えている種類)で手に入りやすい、ギンゴケやホソウリゴケはあまり適した種類ではないので、初心者の方にはおすすめできません。


落葉や大き目の枝はできるだけ除去



【痛んだコケのトリミング】
長く栽培していて、コケの先端や、一部が茶色くなってきた場合は、茶色くなった部分を切り取って取り出します(トリミング)。
新鮮で元気な状態のコケにはカビを寄せ付けない抗菌能力がありますが、コケの痛んだ部分にはカビがとりつきやすい状態です。茶色くなった部分をいつまでも放置しておくとカビが発生しやすくなります。

特に、季節の変わり目は、コケの生え変わりの時期なので、古い株が茶色くなって枯れてくることがあります。コウヤノマンネングサ、フロウソウなど

ヒノキゴケやシッポゴケも、伸びた先端が茶色くなることがありますので、その時はトリミングします。

胞子体も同じくで、茶色くなって役目を終えた胞子体は、ピンセットで取り除きます。お花の花柄摘みと同じです。この時期、タマゴケの胞子体がすべて茶色くなり、作製前、出荷前に行う取り除き作業が修行のようです。タマゴケだけに玉抜き作業と呼んでいます。(男性は股間がきゅんとなる呼び方ww)


胞子体の茶色くなった部分は結構カビの温床になります。
タマゴケの胞子体に生えたカビ。
この程度なら、胞子体ごと抜き取れば問題ない。



【適した環境に置く】
一般家庭での栽培には関係ないかもしれませんが、小売店では納品された商品が全部棚に置けないとき、箱の中に入れておく習慣があります。真っ暗な環境ではコケが光合成できず、カビの方が優勢になりやすい環境が生まれます。よく箱から出し忘れた苔テラにカビが発生しているのを見かけるので、その点も注意です。
家庭環境では、窓のない玄関、窓のないお手洗いなどに置いた場合が、そのような状況になります。窓のない空間では、人工照明(LED、蛍光灯など)でも栽培可能ですが、最低8時間程度明るさを保つ必要があります(8~10時間くらいが理想です。もっと長く当てていてもOK)。4人家族であったとしても、トイレに入って電気をつけている時間はわずかでしょう。窓のないトイレに苔テラを置く場合は、日中電気をつけっぱなしにしてください。

ようは、コケがイキイキ育つ環境であれば、カビが優位に繁殖することは少ないのです。


植物育成用のLEDでなくても大丈夫。
ニトリで売ってるのスタンドライトでも十分に育ちますよ。
☆LEDによっては熱が高く出るものがありますので、ライトと容器の距離は臨機応変調整してください。また、一部の水槽用LEDは水を通したときに、植物へ十分な光が届く設計になっているので、強すぎて葉焼けするときがあります(ADAのライトは綺麗でしたがコケが焼けました)。


【丈夫に育てる】
上の項目にも当てはまることですが、コケを丈夫に育てれば、カビが寄り付きにくくなります。人が体力落ちているときに、風邪をひくのと一緒。

・コケに適した明るさ、温度の場所に置いてやること
☆前にもお話ししましたが、弱めの光に長く照らされている場所が好き。
・適度な水やり(乾燥させ過ぎず、水没させず)
・理想はたまに換気
換気については、フタを閉じたままでも問題ありませんが、一日一回、フタを一分間程度開けて、空気の入れかえを行うと、細胞が軟弱化せず丈夫に育ちやすくなります。




発生したときの対処法や、予防方法は後日まとめます。




0 件のコメント:

コメントを投稿